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強度の高い筋トレと有酸素運動は別の日に

 「コンカレントトレーニング」とは、筋力トレーニングと有酸素運動を同時に行う方法を指します。当クリニックでは、生活習慣病や脂肪肝の改善に向けて、ストレッチを含めたこの3つの要素を組み合わせることが効果的な運動療法だと説明しています。
 しかし、コンカレントトレーニングには注意すべき点があります。最近の研究では、このトレーニング方法が最大筋力の発揮を低下させる可能性があることが報告されています(Schumann M.Sports Med. 2022)。また、下肢筋力の低下や心肺機能の回復を妨げる可能性も指摘されています(Huiberts RO.Sports Med. 2024)。その要因として、有酸素運動で鍛えられる「Type 1 コラーゲン(細い線維)」と、筋力トレーニングで強化される「Type 2 コラーゲン(太い線維)」では体内での生理的な反応も異なり、互いに干渉し合うことが考えられます。また、長時間の有酸素運動はコルチゾールの分泌を促進し、筋タンパクの分解を加速させる可能性もあります。
このような影響を避けるためには、適度な有酸素運動(ウォーキングは長時間でも問題なし、ランニングなどは20?30分程度)を心がけることや、高強度の有酸素運動と筋力トレーニングを同じ日に行わず、別の日に分けることが重要です。体に悪影響を与えない形でコンカレントトレーニングを継続するためには、こうした工夫が必要です。