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共著研究として英論文をpublish:アバンド(アボット社)HMBの威力

 東京医療センター時代からお世話になっていた高崎医療センター長沼先生の主導で、HMB-Caを多く含むアバンドで肝細胞癌患者の治療副作用を軽減できたという内容で英論文をClinical Nutrition ESPENという雑誌(IF2.9)にPublishしました。このアバンドという成分は昔から注目しており、アミノ酸の一種であるロイシンの代謝産物であるHMBを多く含みます。アルギニンや グルタミンと混成させることで、疲労回復や持久力を高めることができます。難治性の褥瘡(床ずれ)が改善した症例を経験し、傷の治癒や抗炎症効果が高いことは症例で経験していましたが、生活習慣病診療にどう役立てるかと考えた場合、この成分がものすごい威力を発揮することが分かってきました。
通常のプロテインは多くのアミノ酸を含むために筋肉以外の臓器にも届けられます。毎日ダンベルを持ち上げているような筋トレ好きな方がプロテインを壊れた筋肉に届けることはわかりますが、素人の筋トレ内容で、過剰にプロテインを取ってしまうと、筋肉以外の細胞、特に内臓脂肪や肝脂肪に回り、脂肪肝病態を悪くする可能性があります。HMBであれば、ダイレクトに筋肉に届くので、効率よく筋肉にアミノ酸を届けることができます。寒い冬をいかに過ごすかを考えた場合、室内での運動をより効率よく基礎代謝を維持出来るかが問題です。このアバンドによって体幹部の位相角(筋肉の質に相当)があがり基礎代謝が向上した症例を多く経験しています。是非、この冬はアバンドを使って、基礎代謝を亢進させ、生活習慣病管理に努めましょう。