「猛暑で筋肉が劣化!?」秋の脂肪肝悪化は、すでに夏に始まっていた
2025.08.26
今年の夏、あなたはどこで過ごしていましたか?冷房の効いた部屋でゴロゴロ…そんな日々が続いていた方も多いのではないでしょうか。実はその"快適な夏"が、秋の健康に静かに影を落としているのです。当院で行った体組成検査(InBody)と握力測定の解析結果から、驚くべき事実が明らかになりました。
・・・筋肉の「質」が、猛暑で低下していた
検査で顕著だったのは、筋肉の質を示す「位相角」の低下。そして握力の低下。これは単なる筋力の衰えではなく、筋肉そのものの"中身"が変化していることを意味します。以前に我々は、"秋になると肝機能が悪化し、脂肪肝が進行する患者さんが増えること"を報告してきました(M.Kikuchi, 2025年 日本消化器病学会)。この二つの現象を重ね合わせると、見えてくるのは--
・・・秋の脂肪肝は、夏の筋肉劣化が引き金だった
夏の時点で筋肉の質が落ちている。そこに秋の味覚、食欲の増進、運動不足が加わることで、肝臓に脂肪が蓄積しやすくなる。つまり、秋の脂肪肝は"夏の過ごし方"で決まる可能性があるのです。
・・・「室内で安全に動く」ことが、猛暑時代の新常識
猛暑警戒アラートが鳴り響く中、「外に出るな」「涼しい部屋で過ごそう」という呼びかけは熱中症対策として当然です。しかし、動かないことが新たなリスクを生むなら、私たちはその"室内"でどう動くかを考え直さなければなりません。当院では、室内でできる運動の指導を徹底しています。猛暑の時代にふさわしい、体との向き合い方。それは「昔ながらの夏の過ごし方」から脱却し、「自分の体を守る知恵」を再構築することです。