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人生はジグゾーパズル 立科への道から感じたこと

 慶應義塾幼稚舎の林間学校で、担任の先生に連れられて歩いた立科山荘までの道。道すがら、先生は立ち止まっては草花の名前を教えてくれて、木の実を使ってカップケーキを作ってくれた思い出。
 先日、娘が立科山荘へ行く準備をしていたとき、「立科の植物図鑑」を見せてくれました。これは先生方が立科山荘の自然の魅力を伝えようと作った図鑑で、ページをめくるたびに、当時見た風景や植物たちの記憶が、まるで時間を超えてよみがえるようでした。図鑑の冒頭には、須黒先生の言葉が記されていました。「自然を観察することが将来の仕事に役立つかどうかは問題じゃない。何かを知ると、その分だけ世界の見え方が変わる。知識という眼鏡をかければ、色々なことに気づき、思わぬところからヒントを見つけられる人になる。・・」そしてこの文は、自分が担任の先生と歩いた立科山荘への道の写真が背景でした。そして、同じ道を娘はどのように歩むのだろうか、と思いを巡らせました。
 最近、人生はジグソーパズルのようだと感じることがあります。そのピースは最初こそバラバラで、どこに繋がるか分からないけれど、やがて少しずつ結びつき、一枚の絵になっていく。分野の違う知識や経験も、時を経てつながり合い、大きな見識へと育っていく。そう思うと、これからのクリニック診療での挑戦もまた、そんなパズルのひとつなのかもしれません。