体力測定の握力測定はなぜ2回か
2025.06.26
握力は前腕だけでなく、全身の筋力とも深く関係しており、運動機能を評価するうえで手軽で大切なチェック方法とされています。
ただし、握力の測定方法は、厚生労働省と文部科学省で違いがあります。厚労省では利き手で1回だけ測定するのに対し、文科省では左右交互に2回ずつ(合計4回)測定し、その中で一番高い値を使います。
私たちのデータを分析すると、1回目と比べて2回目の握力が下がる傾向は、若い人ほど目立ち、高齢者ではあまり見られませんでした。
こうした傾向から考えると、全年齢を対象とする体力測定を行う文科省が2回測るのは理にかなっており、高齢者のサルコペニア健診に使われる厚労省の1回測定も妥当だと考えられます。
また、若い人で見られた2回目の握力低下の割合を調べることで、年をとるにつれて衰える速筋(すばやく力を出す筋肉)の働きを捉えるヒントになるかもしれません。