日本のがん検診は低水準 企業職場健診に尽力するべし
2025.06.30
先週のプライマリ・ケア連合学会に続いて、今週は消化器がん検診医学会に参加しました。やはり、いつも感じるのは日本のがん検診受診率の低さで、欧米諸国が70-80%の受診率である一方で、日本は50%とG7の中でも最低水準です。例えば、便潜血が陽性の人は本当なら90%以上の人が大腸カメラを受けてほしいところですが、現状は70%くらいにとどまっています。胃がんや大腸がんの年齢調整死亡率をみても、減少はしているものの先進国の中ではかなり遅れをとっているのは受診率の低さも要因の一つと考えられます。
また、日本の検診制度は地域でやる対策型検診、会社の健康診断、人間ドックの3つに分かれていて、それぞれバラバラに運営されていて全体像がつかみにくいのも課題です。中でも、受診者の割合は「3:5:2」と言われていて、一番多いのは職場の健康診断な訳ですが、精度管理されておらず受診率も高くないのが問題です。人間ドックも、あまり根拠のない検査項目をコスト意識なしに行っている施設も多いのが現状です。
こうした現状をふまえ、当院としては、人間ドック健診専門医・指導医として、また今年取得を目指している消化器がん検診総合認定医として、精度管理をあげ健診体制を整えていきたいと考えています。そして、日本が抱える予防医療の課題を解決できるような、よいモデルケースになれたらと思っています。
当院は企業健診(定期健康診断、雇用時健康診断)に重点を置いており、いくつもの会社や企業の健診を行わせていただいております。オリジナル健診、特定健診と併せて、是非ご検討ください。