日本総合健診医学会で季節性から考える脂肪肝につきシンポジウム講演
2025.01.25
今年の健診学会では当院のオリジナルデータを発表します。脂肪肝の悪化は秋に顕著に表れやすいというのは四季を重んじた日本初のデータです。長期に脂肪肝を拝見させていただき、色々な見識を得ることができました。海外のデータをそのまま日本人に当てはめるのではなく、日本特有の文化や気候、四季の変化を加味して生活習慣病は管理すべきです。特に昨今の四季の変化は激しく、長い猛暑の後に、短い秋の気候、続けて冬の寒さが続くといった気候変化に体がついてこない人が多くみられます。秋の脂肪肝の悪化は、猛暑の運動不足と基礎代謝の低下に加え、果糖を多く含んだ柿や林檎の摂取が要因と考えられます。さらに今年度の夏から秋にかけてのデータ比較で、男性は、筋肉量と基礎代謝の低下が、特に40代の層でみられた点。女性では、40代は変化がないものの、50代以降で骨盤周りを中心に脂肪沈着が増えていることが分かりました。
こうした著しい気象変化に医療がどう向き合うべきかが急務であり、新しい視点から当院での取り組みを伝え、健診分野に一石を投じてこようと考えています。