連作が生み出す魅力
2025.02.02
モネの作品を国立西洋美術館で見てきました。一つの同じモチーフを異なる時間や天候のもと繰り返し描く”連作”に、心打たれました。睡蓮の池に描き出された筆のタッチは、光と大気の変化を感じ取るモネの研ぎ澄まされた感性でした。
アートを医療に当てはめても同じような感覚をもちます。感性を磨き上げることで、もっと患者さんの病態や背景、言葉の行間をつかめるのではないかと感じます。今回はこの”連作”をみたことで、季節の中で変わりゆく患者さんを同じ視点で生活習慣の状態や病態からつかむことの重要性を再認識しました。そして、総合健診学会で有意義な質問をいただいたことを思い出しました。秋に脂肪肝は季節性をもって悪くなることは証明されても、それがある振れ幅の中で年次的なトレンドで悪くなっていなければいいのではないかという意見。確かにその通りで、その振れ幅の許容範囲がどの程度が望ましいのか。患者さんの生活スタイルや生き方を尊重し、医師との共同作業で許容範囲を決めていくことも重要であるという結論に至りました。