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長い猛暑を超えて、腰周りが増えていないですか

 脂肪肝は秋に悪くなるといった日本特有の季節性に関わるデータは私のオリジナル研究の一つです。主に3か月に一回のサイクルで通院している患者さんが多い中でそれぞれのシーズンでの傾向が違うことを感じ取れた為新たな発見となり、当クリニックが発信する日本初のデータになった訳です。(来年1月第53回日本総合健診医学会のシンポジウム講演、4月の第111回消化器病学会総会でも同内容の講演を行います。)
 最近の気象変動は激しく、猛暑の長い夏が続くと、秋晴れの心地よい気候は短く、秋雨前線が停滞するや否や気温が冷え込み冬に向かっていきます。春や秋の短い、四季から"二季"への移行で体がついていかない方が多く、今までとは違った生活習慣指導が求められています。
 今年の夏から秋にかけての体組成変化を調べてみました。(上記表)結果は、体幹部の脂肪量の上昇と臀部周囲長が増えていることがわかりました。一般的に体への脂肪沈着は、皮下脂肪から始まり、内臓脂肪そして肝臓に脂肪が溜まってくると考えられています。特に皮下脂肪は、最初に腹部や臀部、次に顔周囲、下腿、上腕、足首・手首の順に溜まる傾向にあります。このデータを見ると、おそらく脂肪沈着初期段階である臀部の皮下脂肪が影響した可能性が高いのではないかと推察されます。皆様の腰回りが増えていないか、生活習慣病管理に重要な指標であると感じます。股関節や骨盤付近のストレッチや筋トレを推奨します。
 海外の論文をそのまま鵜呑みにして日本人に当てはめるのには限界があると感じています。まして昨今の気象変動を感じずに生活習慣病管理のための診療を担える訳がありません。日本固有の季節や文化を感じとりながら、今後の診療の一助にしていこうと思います。