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 健康運動指導士講習10日目

講習最終日の今日は、トレッドミルや自転車エルゴメーターを使った運動負荷試験について学びました。心疾患患者さんに運動療法を行う際、運動プログラムを組み立てるために欠かせない検査であり、心電図の波形の読み方から実演まで、大学時代のポリクリを思い出しました。

10日間の実技講習を通して強く感じたのは、健康運動指導士の制度が1988年に厚生大臣認定事業としてスタートし、38年間積み重ねられてきたカリキュラムの厚みです。創設当時の運動生理学には、現代の生活環境に合わせて見直しが必要な部分もありますが、根本となる考え方や古典的な視点には、今だからこそ学ぶ価値があると実感しました。自分にとって、原点に立ち返るような貴重な機会になりました。

今回の講習を通して、当院の診療について考えさせられることが二つありました。ひとつは、採血後の血圧測定の意義です。当院では採血後に血圧を測っていますが、過緊張で普段より高く出る方が一定数います。これまでは「採血後に測る意味」を考えていましたが、今回の学びから、こうした方は筋トレなど無酸素運動時の循環動態に注意が必要で、過度な負荷を避けるべきケースがあると気づきました。当院では運動負荷試験は行えませんが、採血後の血圧値がその人の反応性を知る手がかりになる可能性を感じています。

もうひとつは、有酸素運動としての歩数指標についてです。ウェアラブルデバイスを使うことは、生活動作も拾えて便利で、今後も有効な手段であることに変わりはありません。しかし実際の診療では、歩いて脂肪は燃えているものの、筋力が低下してしまい、運動療法としての効果が十分に得られていないケースが少なくありません。歩数が増えても「歩き方の質」が伴っていなければ、健康改善には繋がりにくいのです。

これから当院で取り組むべきは、質の高い歩行運動を確立することだと感じています。手軽にできる「歩く」という行為をもう一度見つめ直し、筋力の維持・向上につながる歩き方を追求することで、生活習慣病の改善に直結する運動療法を提供したいと思います。いわば、メタボ・ロコモに効く“究極の歩き方”を運動療法指導士の視点から追求してみたいです。