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血小板や赤血球は冬に増加する~健常者データを解析して

 先日、消化器病学会で発表した際に「脂肪肝診療で血小板が冬に増えるのはなぜか」という質問を受けました。その時は「冬は脳梗塞の発症が多いことと関連があるかもしれません。血液が凝集しやすくなり、血小板が増えやすいのではないか」と回答しましたが、確信が持てる説明ではありませんでした。そこで、今日の休日を利用して健診データを解析しました。その結果、健常人でも冬に血小板や赤血球が増加することが分かり、自分の仮説を裏付ける確信が得られました。寒さの刺激によって、自律神経に影響を与えるカテコラミンが分泌され、脾臓に蓄えられた血小板が放出されるようです。
 この発表を通じて刺激を受け、自分の学びを深めることができました。脂肪肝診療についてデータを発表しましたが、その前に健常人の季節による変化を調べるべきでした。また、季節性のデータは健常人ですら十分に検証されていない状況であることがわかりました。”季節に向き合う診療姿勢”を自分が先頭に立って提唱していく必要性を感じました。とても意義深い学会でした。